日本国内のIPアドレスから発信される検索クエリにおいて、「jadwal sholat di jepang」という外国語フレーズが異例の跳ね上がりを見せています。この背景には、在日ムスリム礼拝環境の現在を大きく揺り動かす2つの構造的変化が存在します。
第1の要因は、日本の製造業、介護、外食、農業の現場を支えるインドネシア人労働者の爆発的な増加です。特定技能ビザを中心とする就労者の滞在が全国の中小都市へと分散した結果、大都市圏だけでなく地方都市でも自力で日々の礼拝スケジュールを割り出す必要に迫られています。第2の要因は、円安を背景とした東南アジアからのリピーター観光客の急伸です。観光庁の訪日外国人動向調査でも、個人の自由旅行(FIT)が増加したことで、ツアー添乗員任せではない「自己完結型の祈祷時間確認」が必須となりました。
「インドネシアでは、年間を通じて礼拝時間が15分から20分程度しか変わりません。しかし日本に来て、夏は午前3時前に空が白み始め、冬は夕方4時半に真っ暗になるのを経験したときはパニックになりました」――愛知県内の自動車部品工場で働く技能実習生は、取材に対してそう語りました。赤道直下の感覚で暮らしてきた人々にとって、日本の四季がもたらす日照の激変は、日々の信仰実践を脅かす切実な死活問題なのです。