ネット上の情報やSNSの写真を見ていると、「1回の食事のテーブル上に7種類の食材をすべて並べなければならない」と思い込んでいる人が驚くほど多く見受けられます。これは明らかな誤解であり、継続を妨げる最大の罠です。
人の消化吸収システムは、数時間ごとに完全にリセットされるわけではありません。栄養バランスの評価は、1食単位ではなく「1日あるいは3日間の積算」で捉えるのが臨床栄養学の常識です。昼食が外食で「ま・わ・さ」が欠けていたとしても、朝と夜、あるいは翌日の食事で補填できれば、生化学的なバランスは十分に保たれます。
もう一つの盲点は、和食特有の「隠れ糖質と高塩分」です。いも類や豆類を調理する際、砂糖やみりんを多用した甘辛い煮物ばかりにしてしまうと、摂取カロリーと塩分が跳ね上がり、高血圧やむくみの原因になります。「まごわやさしい食材」であっても、調理法が煮染め一色になってしまっては本末転倒です。素材本来の味を活かす蒸し調理や、酢や柑橘類、出汁の旨味を活用した薄味設計が不可欠です。