害虫対策において、多くの愛好家が信じ込んでいる「常識」の中には、科学的に誤った危険な俗説が複数混入しています。その最たるものが「受け皿に水を溜めたままにする放置プレイ」と「過度な葉水の誤解」です。
水やり後に受け皿へ流れ出た水をそのまま放置する行為は、害虫に対して「水飲み場と産卵プール」を無償提供しているに等しい愚行です。特にチョウバエやボウフラ(蚊の幼虫)は、この腐敗した停滞水を狙って繁殖します。受け皿の水は給水後10分以内に完全に廃棄するのが、衛生環境を保つ絶対の鉄則です。
また、ハダニ対策として推奨される「葉水(シリンジ)」についても、表面に軽く霧吹きをする程度では十分な防除効果は得られません。ハダニは乾燥した葉の裏面や葉柄の付け根の微小な隙間に密集して生息しています。葉の表面を濡らすだけではハダニの勢力を削ぐことはできず、むしろ土の過湿を助長してコバエを呼ぶ原因になります。葉水を行う際は、葉を手で持ち上げ、裏面に対してしっかりと水圧をかけるように噴射しなければ意味を成しません。