日本の水産界において古くから語り継がれる概念が「ブリ御三家」です。これはアジ科ブリ属の代表格であるブリ・カンパチ・ヒラマサ(平政)の3種を指します。市場の序列や味のポジショニングを理解するには、この3者の関係性を整理することが不可欠です。
カンパチとヒラマサの違い、そしてブリとの序列関係は以下の通りです。
最も漁獲量・流通量が多く、日本の大衆食文化を支えているのが「ブリ」です。出世魚の代表格(ワカシ・ツバス→イナダ・ハマチ→ワラサ・メジロ→ブリ)として縁起物とされ、冬の味覚を牽引します。
そのワンランク上に位置するのが「カンパチ」です。南方の温暖な海を好み、鹿児島県などを中心に養殖技術が極めて高度に発展しています。夏場に他の白身・青魚の品質が落ちる「夏枯れ」の時期に、最高のクオリティで食卓を支える高級魚として君臨しています。
そして、御三家の頂点に位置づけられる幻の超高級魚が「ヒラマサ」です。ブリに極めて酷似したスマートな魚体を持ちながら、身の締まりは御三家随一。養殖が極めて難しく、市場に出回る大半が天然物であるため、卸値はブリの2倍から3倍に跳ね上がることも珍しくありません。カンパチ以上の強靭な歯ごたえと、ブリのような生臭さのない洗練された脂を併せ持ち、料亭や高級寿司店で珍重されます。
「脂の豊潤さならブリ、弾力と脂の調和ならカンパチ、清冽な歯ざわりと希少性ならヒラマサ」。この三つ巴のキャラクター分けを把握しておくことで、外食時の選択眼は劇的に向上します。