SNSやコミュニティ掲示板には、遠征当日の焦燥感を伝えるリアルな体験談が数多く投稿されています。「新幹線で大阪駅に着いて、とりあえずルクアのロフトに行ったらコスメとアクスタケースしかなくて青ざめた」「開演1時間前にヨドバシへダッシュして事なきを得た」といった声は、遠征初心者が陥りやすい共通のパターンです。
取材に応じた20代の女性ファン(愛知県から京セラドームへ遠征)は、当時の切迫した状況をこう語ります。
「地元を出るときは肉眼でもいけると思っていましたが、座席引き換えでスタンド上段の後列とわかりパニックになりました。駅直結のルクアロフトなら何でもあると思い込んで駆け込みましたが、並んでいたのはファンシーなオペラグラスだけ。店員さんに尋ねて初めて、本格的な双眼鏡はヨドバシに行かなければ手に入らないと知りました。結果的にヨドバシ梅田の売り場で店員さんに相談し、予算1万円台でクリアに見える8倍双眼鏡を購入。公演中の表情がしっかり見えて救われました。」
現場での観察からも明らかなように、商業施設ごとの専門性の棲み分けを事前に把握しているか否かが、遠征当日の心の余裕を大きく左右します。