離婚後のコアラを待ち受けていたのは、極めて険しい現実でした。「三原じゅん子の夫」という唯一無二のキャラクターを失った瞬間、バラエティ番組からのオファーは激減。事務所移籍を機に芸名を本名の宮島鳥彦、さらには「ハッピハッピー。」へと改名し、ライブハウスや地方営業で再起を図ったものの、往年の勢いを取り戻すことはできませんでした。
芸人を正式に引退した理由は、単なる仕事の減少だけではありませんでした。世間から浴びせられた「ヒモ」「浮気男」という強烈なバッシングの烙印に晒され続ける中で、芸能界という虚業の世界で生きること自体の限界を悟ったためです。表舞台で笑われる立場から脱却し、一人のビジネスマンとして確固たる基盤を築かなければ、本当の自立は果たせないという強い危機感がありました。
現在、コアラは大手広告代理店や芸能キャスティング、PRマーケティングを手掛ける企業で役員(取締役・プロデューサー)として活動しています。芸能界で培った人脈と持ち前のコミュニケーション能力を生かし、地方自治体の観光PRイベントや企業のプロモーション支援、若手クリエイターのキャスティング業務を裏方として精力的に推進。2012年には一般女性と再婚して一児をもうけており、私生活でも平穏で堅実な家庭を築いています。
一方、かつての相方であるおさるの現在にも目を向けると、興味深い対比が見て取れます。おさるはお笑いタレントとして活動を継続しつつ、書道家「宇都鬼(うとき)」として数々の賞を受賞。タレントの山川恵里佳との家庭を守りながら、独自の芸術的立ち位置を確立しました。コンビ解散直後は確執が噂された二人でしたが、現在は互いに50代を迎え、それぞれのフィールドで成熟した大人としての関係性を保っています。