「単位を落として進級できない」「卒業要件を満たせない」という局面に直面した際、多くの学生が休学と留年の学費の違いについて混乱します。この2つは学籍上の扱いも、財布から出ていく金額も全くの別物です。
留年は、休学届を出さずに大学に籍を置き続ける状態を指します。たとえ半期で1コマしか授業を履修しなかったとしても、大学側からは「通常在学生」として扱われるため、年間100万円〜150万円前後の通常学費を満額納める義務が生じます。一方、正式に受理された休学は、教育サービスの提供を一時停止する手続きであるため、授業料の免除が適用され、負担額は在籍料(年間10万〜20万円程度)のみに圧縮されます。
ただし、この大きな金銭的恩恵を受けるためには、各大学が定める休学学費免除の条件を寸分狂わず満たさなければなりません。
最大のリスクは大学休学手続きと申請期限の厳格さです。多くの私立大学では、春学期休学の期限を「4月末」、秋学期休学の期限を「10月末」などに設定していますが、これはあくまで「在籍許可の最終締め切り」であり、「学費振替(口座引き落とし)停止の期限」はそれよりも1〜2ヶ月早く設定されていることが一般的です。引き落とし日までに休学願の承認が下りていない場合、一度通常学費が全額口座から引き落とされ、その後の還付手続きに数ヶ月を要したり、最悪の場合は当学期の免除が認められなくなったりするケースもあります。
なお、病気や怪我、うつ病などの精神疾患による療養休学の場合、指定期日以降であっても医師の診断書を添えて所定の情状酌量申請を行うことで、特例的に授業料の返還や全額免除が認められる制度を設けている大学もあります。不測の事態に陥った際は、自力で抱え込まず、直ちに学生課や保健センターへ連絡を入れることが金銭的被害を食い止める防波堤となります。