兵庫9区をめぐっては、選挙中からネット上で様々な憶測や誤認が飛び交いました。特に注目されたのが、「無所属出馬に伴う比例復活の権利喪失」と「野党候補の比例復活枠」に関するルールです。
前回の総選挙以降、西村氏は党の公認や推薦をめぐる処遇の変遷により、比例代表との重複立候補が認められない「単独背水の陣」を強いられる局面を経験しました。ネット上では「比例でどうせ復活するのだろう」といった誤った冷笑も見られましたが、制度上、重複立候補していない小選挙区候補は敗北すれば即座に議席を失うゼロサムゲームを戦っていたのです。
他方で、対立候補の橋本慧悟氏陣営にとっては、比例近畿ブロックにおける比例復活の可能性が極めて現実的な勝負所でした。近畿ブロックにおける野党の獲得議席予測と惜敗率のシミュレーションにおいて、85%を超える惜敗率を記録したことは、仮に小選挙区で敗れたとしても国会への切符を手中に収める決定的な布石となりました。有権者が「死票にならない」と確信して投じた一票が、結果として野党陣営の議席獲得を後押しした事実は、制度理解において見落とせないポイントです。