日英同盟はなぜ結ばれ破棄されたのか?歴史の真相と現代の安保協定を解明

日英同盟はなぜ結ばれ破棄されたのか?歴史の真相と現代の安保協定を解明

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ネット上の掲示板やSNS、歴史フォーラムでは定期的に「日本は英国の狡猾な外交に嵌められ、鉄砲玉として利用されただけではないか」という議論が巻き起こります。英国が自国の手を汚さずにロシアやドイツを叩くため、日本を便利に使ったという見方です。

しかし、防衛研究所の戦史史料や英公文書館に遺された外交記録を精査すると、この「片務的搾取論」は一面的な俗説にすぎないことが浮き彫りになります。実際には、日本側も冷徹なまでの計算ずくで大英帝国を利用し尽くしていました。

日露戦争における日本の戦費調達を支えたのは、ロンドンの金融市場でした。当時の日本銀行副総裁・高橋是清が外債募集に成功できたのは、日英同盟という絶対的な信認があったからに他なりません。英系金融機関のバックアップがなければ、日本は開戦後わずか数カ月で財政破綻し、軍事作戦を継続することすら不可能でした。

また、日本海軍の象徴である戦艦「三笠」をはじめとする主力艦艇の多くは、英国の造船所(ヴィッカース社など)で建造された最新鋭艦でした。技術供与、情報共有、国際世論の誘導など、日本が得た軍事的・経済的実利は計り知れません。両国は互いに冷徹な国家理性をぶつけ合い、自国の国益を最大化するために利用し合った「対等かつプラグマティックな関係」だったのが実態です。

吉田 誠
著者

吉田 誠

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