三上博史の経歴を語る上で欠かせないのが、前衛芸術の巨匠・寺山修司との出会いです。高校時代に寺山主宰の劇団「天井桟敷」の舞台に感銘を受け、寺山自身に見出されたことが俳優人生の幕開けとなりました。
映画デビュー作となったのは、寺山修司監督の幻想的な名作『草迷宮』(1979年製作・1983年日本公開)でした。この作品で主人公の美少年役を演じた三上博史は、アングラ演劇の濃密な洗礼を受け、単なる「二枚目タレント」とは一線を画す表現の深淵を若くして体得することになります。この初期の体験が、後にどのような大衆向け作品に出演しても消えない、彼特有のミステリアスな影の源泉となっています。