京都・出町柳の地で一歩足を踏み入れると、どこか懐かしくも甘く芳しい香りが漂ってくる。伝統を紡ぎ続ける老舗の扉を開けば、そこには何世代にもわたって受け継がれてきた職人たちの誇りと、極上の甘味が織りなす小宇宙が広がっている。

京都・出町柳の地で一歩足を踏み入れると、どこか懐かしくも甘く芳しい香りが漂ってくる。伝統を紡ぎ続ける老舗の扉を開けば、そこには何世代にもわたって受け継がれてきた職人たちの誇りと、極上の甘味が織りなす小宇宙が広がっている。

京都・出町柳の地で一歩足を踏み入れると、どこか懐かしくも甘く芳しい香りが漂ってくる。伝統を紡ぎ続ける老舗の扉を開けば、そこには何世代にもわたって受け継がれてきた職人たちの誇りと、極上の甘味が織りなす小宇宙が広がっている。にまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。

緑寿庵清水の作業場には、現代の製造業では当たり前の「マニュアル」や「温度計」が存在しない。職人はただ自らの感覚を研ぎ澄まし、熱せられた釜と向き合い続ける。素材の持つ水分量や砂糖の結晶化スピードは毎日異なるため、数値化されたレシピでは均一な品質を保つことができないからだ。

とりわけ、果汁や抹茶、酒などの素材を金平糖に組み込む作業は至難の業とされる。酸味や油分、アルコール分が含まれると砂糖は固まりにくくなり、角が立ちにくくなるという性質があるからだ。しかし同店では、長年の研究と職人技によって、本来なら結晶化を阻害する生果汁や日本酒、ブランデー、果てはワインや珈琲までを見事に金平糖へと昇華させている。これは世界の製菓史においても稀有な技術的快挙と言える。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。