タコの足は実は8本じゃない?96本足の怪異と「足ではなく腕」の真実

タコの足は実は8本じゃない?96本足の怪異と「足ではなく腕」の真実

タコの足は実は8本じゃない?96本足の怪異と「足ではなく腕」の真実とはどんな影響があるのか? 専門的な分析を整理してお届けします。

タコと同じ頭足類に属するイカは、姿形が似ているものの、腕の構造や身体のシステムには明確な違いがあります。両者の違いを以下のデータ比較表にまとめました。

項目タコ(Octopus)の構造イカ(Squid)の構造生態的意義・専門家の分析腕(足)の総数8本(すべてほぼ同等の長さ)10本(腕8本+触腕2本)イカの「触腕(しょくわん)」は捕食専用に特化し、伸縮自在に射出される。吸盤の構造筋肉質で柔軟・柄なし(2列配置)柄(茎)つき・硬質リング(角質環)ありタコの吸盤は強力な真空吸着と味覚検知を行い、イカの吸盤は獲物を引っ掛けて逃さない構造。脳の数9個(主脳1個+各腕に8個の副脳)1個(ドーナツ型の主脳)タコは神経細胞の約6割が腕に分散しており、脳からの指示なしに腕単体で判断・行動が可能。心臓の数3個(全身用1個+鰓心臓2個)3個(全身用1個+鰓心臓2個)エラ(鰓)に強力に血液を送り込む専用の補助心臓を持ち、高負荷な遊泳運動を支える。生息環境・遊泳性底生性(海底の岩陰や砂地を這う)遊泳性(中層〜表層を高速で泳ぐ)タコは周囲の環境に溶け込む高度な擬態能力(カモフラージュ)を進化させた。

タコの吸盤には、人間の舌の何倍もの感度を持つ化学受容体(味覚・嗅覚センサー)が無数に存在します。目で見なくても、岩の隙間に腕を差し込むだけで獲物がエビかカニかを瞬時に「味わって」判別できる驚異の感覚器官です。

さらに特異なのが神経システムです。タコの全身には約5億個のニューロンが存在しますが、そのうち中央の主脳にあるのは約3分の1に過ぎず、残りは8本の腕の基部にそれぞれ分散しています。各腕が独立した「知性」を持ち、障害物を避けながら自律的に餌を探すという、分散型コンピューティングのような情報処理を行っています。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。