『極悪女王』における唐田えりかの演技は、過去のイメージを粉々に粉砕するほどの凄まじい熱量を帯びていました。彼女が演じた長与千種は、昭和後期の日本中を熱狂させた女子プロレス界の象徴であり、圧倒的なカリスマ性と泥臭い闘争心を併せ持つ難役です。
関係者の証言や制作発表インタビューによると、役作りのプロセスは想像を絶するものでした。彼女は役のために体重を約10kg増量させ、筋肉量を大幅に引き上げる過酷な肉体改造に着手。さらに、プロレス指導を担当した長与千種本人による直接指導のもと、2年近くに及ぶハードなプロレストレーニングを敢行しました。
撮影現場ではスタントを使わず、痛烈なドロップキックやバックドロップなどの危険な技を自ら受け止め、身体中を痣だらけにしながらテイクを重ねたといいます。当時のインタビューで彼女自身が語った「自分の全てを投げ打ってでも、この役を生き抜かなければ未来はない」という覚悟は、画面越しに視聴者へダイレクトに伝播しました。剛力彩芽演じるライオネス飛鳥とのタッグチーム「クラッシュ・ギャルズ」の再現度は、リアルタイムで昭和の熱狂を知る世代からも「当時の千種が乗り移ったかのようだ」と驚嘆の声を集めました。