SNS上にはびこる「シンデレラ体重」や「骨感の美化」といったトレンドは、医学的には極めて危険な幻想に過ぎません。ネット上では「太っているより痩せている方が病気になりにくく長生きできる」という誤解が根強く信じられていますが、これは明確に否定されています。
痩せすぎた身体は、筋肉量が著しく減少する「若年性サルコペニア」を引き起こします。筋肉は単に身体を動かすだけでなく、体温維持や糖・脂質代謝、免疫細胞の貯蔵庫としての役割を果たしています。筋肉が削ぎ落とされると、感染症にかかりやすくなり、一度体調を崩すと自力で回復する体力が残されていません。
また、「食事を抜いて手っ取り早く短期間で痩せる」行為は、脂肪ではなく真っ先に内臓や心筋のタンパク質を分解させます。これが「痩せすぎて顔が骸骨のようにやつれる」「皮膚が乾燥して老化が進む」「見た目が怖い印象を与える」原因です。美しさを求めて始めたはずの減量が、結果として老化と衰弱を加速させるという皮肉な盲点を直視しなければなりません。