「総裁と首相どっちが偉いのか」という問いに対し、法的な序列や国家統治の観点から答えるならば、法的な権限・序列は内閣総理大臣(首相)が圧倒的に上です。
内閣総理大臣は国家の元首格として遇され、三権分立の一翼を担う存在です。自衛隊の指揮権を行使し、国家予算を差配し、重大な外交条約に署名する権能を持っています。一方の自民党総裁には、国家の法執行に関与する権限は1ミリも存在しません。しかし、永田町の権力闘争という政治力学の内側を覗き込むと、単純な上下関係では片付けられない複雑なパワーバランスが浮かび上がります。
総裁と首相権限の違いを比較した以下のデータ一覧は、公的権力と政治的権力の棲み分けを鮮明に物語っています。
自民党に所属する国会議員にとって、最も恐ろしいのは実は「首相」ではなく「総裁」の権限です。総裁は選挙における党の公認権を独占しています。公認を剥奪されれば、党からの選挙資金もポスターの支援も得られず、無所属での極めて厳しい選挙戦を強いられます。かつて小泉純一郎元首相が郵政民営化法案に反対した議員たちに公認を出さず「刺客」を送り込んだ歴史が物語るように、議員個人の生殺与奪の権を握っているのは、総裁としての権能なのです。