くす玉の成否を分けるもうひとつの要素が、内部から飛び出す演出のクオリティです。現場で最も多く見られる失敗が「紐を引いて球体は開いたものの、垂れ幕が途中で絡まって丸まったまま垂れ下がらない」という現象です。この原因は、垂れ幕の重量バランスと収納方法のミスにあります。
まず、くす玉の垂れ幕の作り方として推奨される用紙は、適度なコシと軽さを併せ持つ「不織布」や「障子紙」、あるいは細長い模造紙です。幅はくす玉の直径の半分以下(直径20cmのくす玉なら幅8〜9cm)、長さは80〜120cm程度が最もバランスよく視界に収まります。そして決定的に重要なのが、垂れ幕の最下端に10〜15g程度の重り(厚紙を巻き込んだ芯や大きめのクリップ、コインなど)を仕込むことです。この先端の自重がアンカーの役割を果たし、開いた瞬間に重力で一気に下方へ引き出されます。
次に、紙吹雪と垂れ幕の仕込み方には明確な物理法則が存在します。垂れ幕は上から下に向かって緩やかな「蛇腹折り(ジャバラ折り)」にし、絶対に固くプレスしすぎないように畳みます。紙吹雪は一般的なコピー用紙よりも、薄手のオーロラフィルムやお花紙、メタリックテープを細かく裁断したものを混ぜると、空気抵抗を受けて空間に滞空する時間が約2倍に延びます。
セッティング時は、まずくす玉の上部中心に垂れ幕の上端を頑丈にテープ留めし、畳んだ垂れ幕を中央に収めます。その周囲を取り囲むように紙吹雪を配置し、最後に下部の引き抜きピンをセットします。冬場や乾燥した室内では静電気によって紙吹雪がプラスチックボウルの内側に張り付いてしまうため、あらかじめボウル内側に静電気防止スプレーを吹きかけるか柔軟剤を薄く塗布しておくことが現場の裏技です。