躰道の技の根幹を成すのが、「旋(せん)・運(うん)・変(へん)・捻(ねん)・転(てん)」と呼ばれる五技(ごぎ)の体系です。すべての攻撃と受けは、この5パターンの体軸変化から派生します。
それぞれの技は明確な幾何学的原則に基づいています。 【旋技】はコマのように直立の体軸を水平回転させて打つ技(旋体突き・旋体蹴りなど)。 【運技】は上下の跳躍や波状運動を利用して飛び込む技(運足からの運体蹴りなど)。 【変技】は自らの上体を前方や後方に思い切り倒し、相手の攻撃を紙一重でかわしながら蹴り上げる技(変体海老蹴りなど)。 【捻技】は体軸を螺旋状にねじりながら懐へ潜り込む技(捻体半月当てなど)。 そして【転技】は前転、側転、バック転などの回転運動の勢いをそのまま打撃に乗せる技(転体後方蹴りなど)です。
大会における競技体系は、主に以下の3種目で構成されます。
1つ目は、技の正確性と体軸のキレを競う「法形(ほうけい)」。空手でいう「形」に相当しますが、躰道では前後左右だけでなく上下の空間をダイナミックに使います。
2つ目は、1対1で有効打突を競い合う「実戦競技(じっせん)」。防具(胴やヘッドギア)を着用し、運足と体軸変化を伴ったコントロール打撃を応酬させます。
そして3つ目が、躰道の華とも称される「展開競技」です。
展開競技は、主役1名に対して脇役5名が次々と襲いかかる約30秒間の模擬実戦です。脇役はそれぞれ異なる武器や徒手空拳で襲撃し、主役は旋・運・変・捻・転の五技すべてを駆使して全員を撃退します。事前の緻密な計算と極限の集中力が要求され、その立体的な殺陣の迫力は観客を圧倒します。