暗黒舞踏の巨匠・麿赤兒が解き放つ圧倒的凄みと一族の芸術的血脈

暗黒舞踏の巨匠・麿赤兒が解き放つ圧倒的凄みと一族の芸術的血脈

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表現者としての原点は、1960年代の狂熱に包まれたアングラ演劇運動にさかのぼる。鬼才・唐十郎が率いた伝説的劇団「状況劇場」に参加し、異形なる役者として頭角を現した。紅テント公演などで怪物的な異彩を放ち、一躍アングラシーンのアイコンとなった彼は、やがて肉体表現のさらなる深淵へと足を踏み入れていく。その大きな転機となったのが、暗黒舞踏の創始者・土方巽との劇的な出会いだった。

土方から「身体の解体と再構築」という根源的な思想を受け継いだ麿赤兒は、1972年に自らの舞踏派「大駱駝艦」を旗揚げした。全身白塗りの群舞、圧倒的なスケール感、そして滑稽さと恐怖が背中合わせになった独自の舞踏様式「金粉ショー」や大仕掛けの舞台構成は、国内外の演劇界に計り知れない衝撃を与えた。舞踏を単なる抽象芸術にとどめず、人間の泥臭さや生々しい欲望、死生観を肉体ひとつで体現するその手法は、暗黒舞踏の概念を世界へ決定づけた快挙と言える。

斉藤 蓮
著者

斉藤 蓮

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