二人の代表作として真っ先に名が挙がるのが、2007年の舞台『カリギュラ』だろう。暴君カリギュラの狂気と孤独を全身全霊で体現した小栗の演技は、劇評家や観客を驚嘆させ、俳優・小栗旬の評価を決定づけた。蜷川は小栗の持つ華やかさの裏にある「飢え」を見抜き、極限まで追い詰めることで、誰も見たことのない感情の爆発を引き出した。
シェイクスピア戯曲をはじめとする過酷な長台詞の応酬。舞台上で血を吐くような演技を要求される日々は、小栗にとって肉体的・精神的な試練の連続だった。しかし、その過酷なトレーニングがあったからこそ、映像作品でも圧倒的な存在感を放つ強靭な演技力が形成されたのである。