かつてテレビ東京系の経済ドキュメンタリー『カンブリア宮殿』でも大きく取り上げられた魚金のビジネス思想は、激変する外食産業において今なお色褪せていない。番組内で描かれた「利益は二の次、まず客を喜ばせる大盤振る舞い」という基本理念は、単なる美談ではなく、冷徹なまでに計算されたマーケティング戦略でもある。
客は提供された瞬間に目を疑うような大皿料理を目撃し、その体験を他人に語らずにはいられなくなる。広告宣伝費を一切かけず、口コミと満足度だけで席を埋め尽くすスタイルは、同番組を通じて全国に知れ渡ることとなった。イタリアンバル業態への進出を果たした際も、既存の飲食業界からは懐疑的な目で見られていたが、蓋を開けてみれば本家を凌ぐ熱狂を生み出し、外食の常識を再び塗り替えてみせた。