歴史の記録を遡ると、3月5日は社会の枠組みを根底から書き換えるような歴史的大事件や、偉大なイノベーターの誕生と深く結びついています。
世界史における一大事件としては、1946年3月5日にイギリスの元首相ウィンストン・チャーチルがアメリカのウェストミンスター大学で行った「鉄のカーテン」演説が挙げられます。第二次世界大戦後の東西冷戦の幕開けを決定づけた演説として歴史に刻まれました。また1953年3月5日には、ソビエト連邦の最高権力者ヨシフ・スターリンが死去し、冷戦構造の大きな曲がり角となりました。
日本において特筆すべきは、1910年(明治43年)3月5日に生を受けた安藤百福(あんどう・ももふく)の存在です。日清食品の創業者であり、世界初の即席めん「チキンラーメン」や「カップヌードル」を開発した稀代の発明家です。安藤は自著や手記のなかで、次のように述懐しています。
「人生に遅すぎるということはない。人間、50歳からでも60歳からでも新しい出発はできる。倒れたら、その土をつかんで起き上がればいい」
事業の失敗や財産の喪失という極限の逆境を経験しながら、48歳のときに自宅裏庭のわずか数坪の小屋でチキンラーメンを完成させた安藤の歩みは、3月5日生まれの人間が持つ不屈の粘り強さとパイオニア精神を如実に体現しています。