かつては母であり師でもある泰子氏の手を借りて歩んできた。だが、30歳を過ぎた頃、彼女は大きな一歩を踏み出す。「一人で暮らしたい」という強い意志のもと始めた一人暮らしは、表現力を飛躍的に広げる契機となった。
自分で買い物に行き、料理を作り、近所の商店街の人々とコミュニケーションを取る。時には地元のラーメン店でバイトを経験するなど、社会と直接つながる喜び。それが作品に新たな「生活の湿度」をもたらした。過保護な守られ役から、自立した一人の人間へ。その精神的な脱皮が、近年の作品が見せる深い包容力へとつながっている。