明治通り上空に架かるアーチ状の巨大シェル構造。この優美な駅舎を手掛けたのは、日本を代表する建築家・内藤廣氏だ。内部に柱を一切設けない空間設計により、幅約12メートルにおよぶ島式ホームはどこまでも開放的で、視線が遮られることがない。外観の軽やかな白いフレームは、過密都市の真ん中に驚くほど爽快なランドスケープを描き出している。
この劇的な変化は、単なる一駅の改修にとどまらない。官民が一体となって推進する「渋谷駅街区基盤整備事業」の極めて重要な中核ピースだ。線路や駅舎、商業ビルが複雑に絡み合っていた谷底の地形を再編し、歩行者が地上に降りることなく移動できる立体歩行者ネットワークの骨格がここで完成した。都市再開発・建築デザインの分野において、これほど高度な空間再編を成し遂げた事例は世界中を見渡しても類を見ない。