なぜ愛犬は便を食べるのか?犬の食糞の真相と今日から効く根本改善策

なぜ愛犬は便を食べるのか?犬の食糞の真相と今日から効く根本改善策

なぜ愛犬は便を食べるのか?犬の食糞の真相と今日から効く根本改善策についての最新情報をお届けします。

ネット上の掲示板や古い飼育マニュアルには、「便を食べたら鼻先を便に押し付けて叱る」「大きな音を立てて驚かせる」といった体罰的な手法が散見されます。しかし、現代の動物行動学において犬の食糞のしつけで絶対に叱らないことは、世界の獣医師が一致して警告する鉄則です。

犬は「過去の行動」と「現在の叱責」を結びつけて反省することができません。排泄してから数秒後に怒鳴られても、犬が学習するのは「飼い主の目の前で排泄すると危険が生じる」「排泄物そのものが飼い主を怒らせるトリガーである」という歪んだ因果関係です。その結果、犬は飼い主の見えない場所で隠れて排泄するようになり、見つかる前に急いで便を胃袋へ流し込むという、より深刻な証拠隠滅型の食糞行動へと発展します。

また、犬の食糞に対するスプレーの効果についても大きな誤解が存在します。排泄された便の上から苦味スプレーを吹きかける手法は、排泄の瞬間に飼い主が立ち会っていなければ機能しません。さらに、嗅覚に優れた犬はスプレーがかかっていない裏側を選んで食べる知恵を身につけるほか、苦味に慣れて平気で食べてしまうケースも頻発します。外的な罰や威嚇によって行動を抑え込もうとする試みは、根本解決にならないどころか、飼い主との愛着関係を破壊する重大なリスクを孕んでいます。

さらに見逃せない盲点が、衛生面における犬の食糞による寄生虫感染リスクです。自身の便を食べる自己食糞であれば直接的な寄生虫感染の危険は限定的ですが、散歩中に遭遇する他の犬や猫、野生動物の便を口にした場合、回虫や鉤虫、ジアルジア、コクシジウムといった消化管内寄生虫、さらにはパルボウイルスなどの感染症に罹患する危険が跳ね上がります。「そのうち治るだろう」と屋外での食糞を放置することは、愛犬の生命を脅かす病原体を招き入れる行為に他なりません。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。