山口県の空模様を理解する最大の鍵は、山口県における日本海側と瀬戸内側の気候の違いを生み出す地形要因にあります。県中央を貫く山陰道・中国山地が天然の防壁となり、季節風の流れを劇的に遮断・変形させるためです。
冬季になると、大陸からの冷たい北西季節風が日本海を渡る過程で水蒸気を蓄え、萩市や長門市などの沿岸部に雨や湿った雪をもたらします。対照的に、山を越えた瀬戸内側の防府市や周南市、岩国市では乾燥した晴天が続くという鮮明なコントラストが生まれます。気象台の観測データでも、冬季の日照時間において日本海側と瀬戸内側で月間50時間以上の開きが生じるケースは珍しくありません。
一方、夏季から秋季にかけては太平洋高気圧や南岸からの湿った空気が瀬戸内側に流れ込みやすく、急な雷雨や線状降水帯の形成による集中豪雨への警戒度合いが逆転します。テレビやネットで流れる山口県の天気予報をチェックする際は、まず自分のいる場所がどの気候エリアに属しているかを把握することが肝要です。