二文字の苗字の構造を解読すると、古代日本人がいかに身近な自然環境を観察していたかが浮き彫りになる。その多くは、「位置や状態を表す漢字」と「地形や植物を表す漢字」の組み合わせによって構成されている。
例えば、「方角・位置」を示す「上・下・前・後・東・西・南・北」に、「自然物」を示す「山・川・田・原・木・谷・島」を掛け合わせることで、「中山」「山田」「川上」「西村」といった苗字が無数に誕生した。日本列島の豊かな山川草木と人間の暮らしが密着していた証拠であり、二文字という限られた枠組みの中に、当時の風土描写が見事な凝縮を見せている。