「毛色が違う」という表現は、もともと馬や犬などの動物の毛並みや毛の色の違いを指す言葉だった。競走馬や血統を重視する動物の鑑賞において、毛色はその個体の血筋や系統を象徴する重要な要素であった。これが転じて、人間の性格、好み、家柄、あるいは組織の雰囲気や考え方の系統が異なることを表すようになった。
日本国語学の大家である新村出が編纂を主導した岩波書店の『広辞苑第七版』を紐解くと、「毛色」の項目には、動物の毛の色のほかに「人の性質・傾向・好みなどの系統」という意味が明確に記されている。つまり、単なる外見の違いではなく、内面にある本質的な傾向やルーツの違いを指すのが、この言葉の真髄なのだ。