行政が発表する「震災関連死」の統計には、原発事故に伴う避難生活の長期化や生活環境の激変によって命を落とした人々の記録が含まれている。現地での独自取材で見えてきたのは、住み慣れた地域社会や家族の絆から切り離されたことによる心身の衰弱が、特に高齢者層の命をゆっくりと蝕んでいったという悲痛な現実だ。
単なる数値の集計を超えて、一人ひとりの死の背景にある社会的要因や制度の瑕疵を明かしていく調査報道の役割は極めて重い。公式発表の背後に隠された事実をすくい上げ、証言を記録し続けることこそが、将来の重大災害における不可視の犠牲を防ぐ唯一の手がかりとなる。