元本塁打王・山崎武司の激動の球界人生と最新動向を振り返る上で欠かせないのが、劇的な復活劇の裏にあった知られざるエピソードだ。プロ入り当初は捕手や外野手として試行錯誤を繰り返していたが、主砲としての才能を開花させたのは中日ドラゴンズ時代だった。厳しい下積み時代を耐え抜き、1996年には一気にブレイクを果たして本塁打王を獲得。本拠地ナゴヤ球場ラストイヤーを華々しく飾った。
しかし、栄光の陰には絶えず壁が立ちはだかっていた。移籍や戦力外通告という非常な現実に直面しながらも、彼は決してバットを置かなかった。36歳で挑んだ東北楽天ゴールデンイーグルスへの入団こそが、彼の野球人生における最大のターニングポイントとなる。どん底からの覚醒。その真相には、自身のアプローチを極限まで削ぎ落とし、意識改革を完遂させた男の執念があった。