「信号待ちや渋滞で停車すると急にぬるい風になり、走り出すと再び冷える」という症状は、ドライバーから最も多く寄せられる相談の一つです。この現象には明確な構造的理由が存在します。
最大の要因は、フロントグリル奥に配置されているコンデンサー(凝縮器)の冷却不足です。エアコンガスはコンプレッサーで高温・高圧の半液体に圧縮された後、コンデンサーで外風を受けて冷却・液化されます。走行中は強力な走行風が当たって強制冷却されますが、停車中は専用の「電動ファン(コンデンサーファン)」が回らなければ熱を逃がせません。
電動ファンのモーターが劣化・故障していると、アイドリング時に熱交換が追いつかず、保護回路が働いてコンプレッサーが強制停止します。また、エンジンの回転数が低いアイドリング時はベルト駆動のコンプレッサー吐出量そのものが落ちるため、ガスが微量に減っているだけでも冷気不足が顕著に現れます。