小池百合子氏の「スタイル」や「美貌」にまつわる言説を考察する上で欠かせないのが、メディア社会学的な視点です。彼女は日本において、「ビジュアル・コミュニケーションの力を最も熟知し、権力闘争に活用した政治家」の一人と言えます。
かつての日本の女性政治家は、「男社会に同化するために地味な装いをする」か、あるいは「極端に家庭的なイメージを強調する」かの二者択一を迫られるケースが大半でした。しかし小池氏は、自身の持つ美貌やプロポーションを否定することなく、むしろ「知性と洗練された大人の色香」をメディア映えする強力なフックへと転換させました。
クールビズの提唱から都知事選におけるコーポレートカラー(緑)の導入に至るまで、大衆が「どこに視線を向け、どう感じるか」を計算し尽くした戦略は、まさにキャスター時代に培われたカメラ目線のリアリズムです。「巨乳」「スタイル抜群」という大衆の好奇心すらも、自身の認知度と存在感を高めるメディア・マグネットとして機能させてきた点に、政治家・小池百合子の恐るべきプロデュース能力が凝縮されています。