選手のルーツを探る上で欠かせないのがインターハイバスケ出身中学のトレンドです。現場の記者席やコーチ控室を取材すると、かつてとは明確に異なる育成環境の変遷が見えてきます。
現在、名門校のロスターに並ぶ選手たちの出身元は、大きく2つの潮流に分かれています。1つは、四日市メリノール学院や実践学園、京都精華学園といった、全国中学校大会(全中)やJr.ウインターカップで上位常連となっている私立・公立の中学校強豪バスケットボール部。もう1つが、Bリーグ各クラブが運営するU15ユースチームです。
ある強豪校のアシスタントコーチは、近年のスカウティングとチームビルディングについて次のように語っています。
「以前は中学校の部活動でエースを張っていた選手を集め、高校入学後にチームの規律を一から叩き込むのが主流でした。しかし現在は、Bユースでプロと同じスペーシング理論やピック&ロールのディフェンス対応を身につけてきた選手が最初から入ってきます。彼らは戦術理解の立ち上がりが非常に早く、戦術的な共通言語を最初から共有できているのが強みです」
一方で、中学校部活出身の選手たちが持つ「ハングリー精神と泥臭いリバウンド争い」を評価する声も根強く存在します。SNSやファンのコミュニティでは「名門校のメンバーがユース組ばかりになって部活出身者が割を食っているのではないか」という懸念も見受けられますが、実際のコート上では両者が互いのストロングポイントを認め合い、見事なケミストリーを生み出しています。