砂ずりを語る上で、鶏ササミや鶏むね肉を完全に凌駕している決定的な優位性が、微量栄養素である鉄分と亜鉛の圧倒的な含有量です。
砂ずりに含まれる鉄分は100gあたり約2.5mg。これは淡白な鶏ササミ(約0.2mg)の12倍以上に達する突出した数値です。しかも、ほうれん草やプルーンなどの植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」と異なり、肉類由来の「ヘム鉄」として存在しています。ヘム鉄の体内吸収率は約15〜25%と高く、非ヘム鉄(吸収率2〜5%程度)を圧倒します。
激しいトレーニングによって赤血球が破壊される「スポーツ貧血」に悩むアスリートや、月経によって慢性的な鉄不足に陥りやすい女性にとって、砂ずりは日常的にヘモグロビン合成を促進し、酸素運搬能力と持久力を底上げする特効薬となり得ます。「貧血対策にはレバーが良いと分かっていても、独特の臭みや舌触りがどうしても苦手」という人にとって、淡白でクセのない砂ずりは理想的な代替源となるはずです。
さらに見逃せないのが、100gあたり約2.8mg含まれる「亜鉛」の存在です。亜鉛は体内で300種類以上の酵素反応に関与する必須ミネラルであり、筋タンパク質の合成、傷ついた組織の修復、免疫細胞の活性化を司ります。男性にとっては活力やテストステロンの分泌サポート、女性にとっては肌や髪のターンオーバーを正常に保つ鍵を握る栄養素です。これらが微小な脂質量の中に凝縮されている点こそ、砂ずりが「隠れた栄養爆弾」と呼ばれる真の理由です。