水沢うどん街道を抜け、榛名山の東麓に差し掛かると姿を現す佛光山法水寺。総面積約6万坪(約20万平方メートル)という途方もないスケールで2018年に落成したこの寺院は、なぜ他の大都市近郊ではなく、北関東の温泉地・群馬県渋川市伊香保町に根を下ろしたのでしょうか。 寺院関係者の記録および公式発表資料によると、決定的な契機となったのは、佛光山の開祖である星雲大師(せいうんだいし/1927~2026)による現地視察でした。星雲大師は台湾・高雄に総本山を構える佛光山を一代で世界屈指の仏教教団へと育て上げた名僧ですが、新たな日本総本山を建立するにあたり、全国各地の候補地を巡礼しました。その中で大師の心を強く捉えたのが、伊香保の雄大な山並みでした。 前方に赤城山や日光連山、関東平野を広く見渡し、背後に榛名山の霊峰を控えるこの地形は、台湾高雄の本山を取り囲む山勢・風水の理想的な配置と驚くほど酷似していたと伝えられています。さらに、東京都心から関越自動車道経由で約1時間半から2時間というアクセスの良さ、古くから水沢観音(水澤寺)を擁し祈りの歴史が息づく伊香保の地風、そしてこれだけ広大な敷地を確保できたという条件が重なり、この地に日本本山を構えることが決定されました。 敷地内を歩くと、日本の伝統的な木造寺院とは全く異なる、鉄筋コンクリートと石造りを融合させた堅牢な宮殿建築に目を奪われます。台湾から選りすぐりの宮大工や工芸家を招集して建造された伽藍は、単なる観光模倣建築ではなく、本国の伝統と精神をそのまま日本へ移植した本格的な宗教空間です。
伊香保の異世界「佛光山法水寺」はなぜ誕生?怪しい噂の真相と絶景巡礼
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