高住神社を語る上で欠かせないのが、「豊前坊天狗(ぶぜんぼうてんぐ)」の存在である。伝承によれば、豊前坊天狗は九州の天狗たちの首領であり、英彦山を守護する大天狗として知られてきた。欲望に目が眩んだ者を懲らしめ、心正しく生きる者を温かく護るという強い神通力を持つとされる。
そのため、古くから農業や畜産に携わる人々からは「牛馬安全」や家畜の守護神として深く信仰されてきた。同時に、災難除けや病気平癒、勝運祈願といった切実な願いを抱く参拝者が全国から訪れる。拝殿の随所に掲出された天狗のお面や団扇のモチーフは、この地が天狗伝説の最高峰であることを今に伝えている。