長年ライブに通うファンと、90年代のテレビ番組の記憶で止まっている一般リスナーとの間で、最も大きな認識の乖離が存在するのがGLAY TERU 声 歌唱力の実態です。
掲示板やSNSでは時折、「昔のハイトーンが出ていないのではないか」「喉を痛めたのではないか」という書き込みが見られます。実際、2000年代初頭の過密なスタジアムツアー期には、過酷な発声による声帯結節や喉の疲労に苦しんだ時期があったことは、TERU本人もドキュメンタリー番組やインタビューで率直に語っています。当時は喉の筋肉を絞り上げるような力任せのハイトーン発声が主流であり、長期的なツアーを維持するには過度な負担がかかっていました。
しかし、2010年代以降のTERUは劇的なボーカル改革を断行しました。国内外の著名ボイストレーナーに師事し、従来の喉絞め発声から、腹式呼吸と胸腔・鼻腔共鳴を徹底活用したミックスボイス・ベルティング唱法へと移行。声帯への負担を最小限に抑えつつ、音圧と倍音を増幅させる技術を完全にマスターしたのです。
デビュー30周年ツアーや近年のアリーナ公演を体験した音楽ライターや観客からは、「20代の頃よりも声の太さと抜け感が凄まじい」「3時間を超えるフルステージでもピッチが全くブレない」と絶賛の声が上がっています。現在のTERUの歌声は、全盛期の高音域を維持しながら、年齢相応の太く豊かな中低音域を獲得した「生涯最高峰のコンディション」に達しています。