日常生活でデビットカードを主力にする際、必ず直面するのが「特定加盟店における利用制限」というシステム上の障壁です。
金融庁や決済協会のセキュリティガイドラインに基づき、リアルタイムでの口座残高照会と即時引き落とし処理が完了しない業態では、デビットカードの利用が制限されます。その典型例がETCカード ガソリンスタンド 利用制限です。
高速道路のETCレーンは時速20km以下でノンストップ通過する際、ミリ秒単位の超高速通信が求められます。即時に銀行サーバーへ通信して残高を照会・引き落とすデビットの仕組みでは、通信遅延によるバーの不開放事故を防ぐことが困難なため、原則としてデビット付帯のETCカードは発行されていません(※一部のデポジット制特殊カードを除く)。また、給油スタンドでも、給油完了後に正確な決済金額が確定する「オフライン決済」の仕様上、残高不足による未回収リスクを避けるためにデビットカードを全面的に弾く店舗が少なくありません。
さらに、ネット上で散見される「デビットカードは不正利用されても補償されない」という言説は完全な誤解です。大手銀行が発行するデビットカードには、クレジットカードと同等の不正利用補償規定(原則として通知から60日前まで遡及補償)が付帯しています。ただし、クレジットカードが「未確定請求を取り消すだけで現金の移動がない」のに対し、デビットカードは「実際に口座から預金が抜かれた状態から調査完了を待ち、後日返金される」という時間差が生じます。家賃や公共料金の引き落とし日直前に不正利用に遭うと、残高不足による二次被害が発生し得る点こそが、真のリスクと言えます。