なぜダイソーをはじめとする100円ショップで印鑑コーナーが変化しているのか。その根底には、日本社会全体で急速に進んだ行政手続きの押印廃止とペーパーレス化があります。
2026年以降、中央省庁および地方自治体での各種届出において押印見直しが進み、契約書や納品書の電子化(クラウドサインや電子署名)が定着しました。これにより、かつて「忘れたから出先で買う」という突発的な三文判需要が構造的に減少しました。
さらに、100円ショップ側にとっても、数千種類の苗字を抱える印鑑什器は在庫回転率が低く、売り場面積に対する売上効率(坪効率)が悪い商材となります。限られた売り場スペースをスマートフォングッズや推し活グッズなど需要の高いトレンド商品へ振り分ける動きが、印鑑売り場の縮小をもたらしている背景です。