ノルマントン号事件の闇|なぜ日本人は見殺しに?判決と条約改正の真実

ノルマントン号事件の闇|なぜ日本人は見殺しに?判決と条約改正の真実

ノルマントン号事件の闇|なぜ日本人は見殺しに?判決と条約改正の真実について押さえておきたい ポイントを分かりやすく解説いたします。

ノルマントン号事件によって突きつけられた筆舌に尽くしがたい屈辱は、日本国民の胸に「何としても不平等条約を撤廃しなければならない」という悲願を強固に植え付けました。この強烈な国民的エネルギーを巧みな外交戦略へと昇華させたのが、第2次伊藤博文内閣の外務大臣に就任した陸奥宗光です。

陸奥は、井上馨の失敗を徹底的に分析していました。形ばかりの鹿鳴館で歓心を買う欧化政策を全廃し、近代的な民法・刑法・商法などの法典整備を急速に完了させることで、列強が治外法権を維持する最大の口実としていた「日本の法制度は野蛮で未成熟である」という論理を完全に粉砕しました。

さらに陸奥は、ロシアの南下政策に警戒感を強める大英帝国の地政学的焦燥を見抜き、冷徹な利害の一致を突いて交渉を前進させます。そして事件から8年後の1894年(明治27年)7月、ついに「日英通商航海条約」の調印に成功。長年日本を縛り付けてきた領事裁判権(治外法権)の完全撤廃を勝ち取ったのです。ノルマントン号の冷たい海で命を落とした日本人乗客たちの無念は、感情的な暴走に終わることなく、近代日本の主権確立という最大の歴史的転換点をもたらす原動力となりました。

吉田 誠
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吉田 誠

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