市民が警察と接触する最初のきっかけの大多数は、街頭における任意同行と職務質問・所持品検査の連動です。繁華街や深夜の路上で警察官から「ちょっといいですか」と声をかけられ、そこからずるずると警察署へ連れて行かれる典型的なトラップが存在します。
警察官職務執行法第2条1項に基づく職務質問も、同行の求めと同様に完全な任意処分です。現場では以下のようなエスカレーションが計画的に行われます。
- 第1段階(停止と質問):不審な点があるとして足を止めさせ、身分証明書の提示や所持品の開示を求めてくる。
- 第2段階(所持品検査の強要):バッグのファスナーを勝手に開けようとしたり、衣服の上からポケットを執拗に触ったりする。警察官による「承諾のない所持品の勝手な開披」は、米田事件最高裁判決(昭和53年)等に照らしても重大な違法捜査にあたる。
- 第3段階(署への誘導):「人目があるから署でゆっくり話そう」「車の中だけでもいいから」と、密室空間へ誘い込む。
ここで絶対に避けるべきなのは、警察官の手を払いのけたり、突き飛ばしたりする行為です。警察官の制止を強引に振り切ろうとして身体が接触した場合、警察官は待ってましたとばかりに「公務執行妨害罪(刑法95条)」を適用し、その場で現行犯逮捕に踏み切ります。現場の警察官がもっとも狙っている合法的な逮捕の罠が、この公務執行妨害への誘発です。拒否の意思は手足ではなく「言葉」だけで明確に示し、両手はポケットに入れるか胸の前で組むなどして、暴行と誤認される隙を一切与えない振る舞いが鉄則となります。