「人食いバクテリア」は特別な環境だけで感染するわけではありません。人食いバクテリアの感染経路として最も多いのは、皮膚表面にある微細な傷口からの経皮感染です。靴擦れ、虫刺されを掻き壊した跡、カミソリ負け、あるいは転倒によるかすり傷など、日常生活で見逃しがちな小さな傷口から細菌が組織深部へと侵入します。
加えて、咽頭からの飛沫感染や粘膜接触によって体内へ侵入するケースも確認されています。感染から発症までの人食いバクテリアの潜伏期間は、原因菌や侵入経路によって異なるものの、レンサ球菌の場合はおよそ1日〜3日程度、ビブリオ・バルニフィカスでは数時間〜約48時間と極めて短いのが特徴です。
特に注意すべきは人食いバクテリアによる傷口の腫れの進行スピードです。「傷の周りの赤みが1時間ごとに数センチ単位で拡大している」「傷口から熱感が広がり、触れるだけで飛び上がるほど痛む」といった兆候が見られた場合、通常の化膿止めや市販薬で様子を見る時間は残されていません。