「スキンケアを念入りにしているのに、小鼻の溝だけずっと赤い」「メイクを落とすとくっきりと赤みが目立つ」。こうした悩みを抱える人の多くが、小鼻の赤みの原因を「毛穴の汚れ」や「一時的な肌荒れ」と混同しています。しかし、何週間も何ヶ月も小鼻の赤みが治らない理由は、主に2つの明確な病態に集約されます。
1つ目は、皮脂分泌が盛んなTゾーン特有の皮膚疾患である「脂漏性皮膚炎」です。皮脂に含まれるトリグリセリドが皮膚の常在菌(マラセチア菌)によって分解され、生じた遊離脂肪酸が肌に慢性的な炎症を引き起こします。小鼻の溝に赤みがあり、わずかに黄色みがかった皮むけ(落屑)や痒みを伴う場合、この脂漏性皮膚炎が強く疑われます。この状態の肌に油分の多いリッチなクリームやオイルクレンジングを塗り重ねると、マラセチア菌にエサを与え続けることになり、症状は泥沼化します。
2つ目は、皮膚の浅い層にある血管が広がって戻らなくなる「毛細血管拡張症」です。小鼻のキワを至近距離で観察した際、細い糸くずのような赤い筋が見える場合、炎症ではなく血管そのものが透けて見えています。鼻周辺はもともと毛細血管が密集している部位ですが、度重なる摩擦、急激な温度変化、紫外線ダメージ、あるいは長年のニキビや鼻炎による刺激が加わることで、毛細血管の収縮力が失われ、拡張したまま固定化してしまいます。
自分がどちらのタイプであるかを把握せずに、やみくもに市販の化粧品を試したりゴシゴシ洗顔を続けたりすることが、赤みを難治化させる最大の元凶です。