社会人が医師を目指す際、一般入試と並んで検討されるのが「学士編入制度」です。しかし、私立大学医学部を目指す場合、学士編入ではなく一般選抜に絞るのが定石とされています。その構造的な理由は以下の通りです。
まず、学士編入を実施している私立大学は、岩手医科大学や東海大学などごく一部に限られています。私立学士編入の募集定員は数名程度であるのに対し、出願者は数百人に達し、実質倍率は20倍から40倍に跳ね上がります。試験内容も生命科学、英語論文、適性試験など特殊な対策が求められ、併願先の選択肢も極めて狭まります。
一方、一般入試であれば私立31校のほぼすべてが出願対象となり、日程が重複しない限り何校でも併願可能です。試験科目も高校範囲の数学・英語・理科(帝京大のように国語選択も可能)であるため、努力した分だけ学力が得点に直結します。試験問題の客観性が高いため、「試験で点数さえ叩き出せば合格を勝ち取れる」という点において、不透明な要素が多い編入試験よりも一般入試の方が圧倒的に勝算が高いのです。