ケンメリをめぐる言説の中には、一部事実と異なる噂がネット上で散見されます。代表的な2つの誤解について、記録と証言から事実を整理します。
誤解1:「ケンメリGT-Rはレースで負けたから撤退した」
これは完全な誤りです。1972年の東京モーターショーに出品されたゼッケン73番のレーシングコンセプトは、前述の排出ガス対策に社運を賭けていた日産の方針変更により、1度も公式戦に出走していません。つまり「敗北した」のではなく「戦う舞台に立つことすら許されなかった」のが歴史的真実です。
誤解2:「現存するGT-Rのほとんどはレプリカである」
半分正解であり、半分は誤解を含んでいます。市場に流通している「GT-R仕様」の多くはGTやGT-Xをベースにしたカスタム車両(R仕様)ですが、これは偽物として流通しているのではなく、愛好家カルチャーの中で公然と楽しまれているリスペクトの手法です。本物のKPGC110型は車台番号とS20エンジンシリアルが厳密に管理されており、真正な個体はコレクターズガレージで厳密に動態保存されています。
【プロの結論】2026年にケンメリ購入・レストアを検討すべき判断基準
歴史的名車であるケンメリを所有することは、単なる趣味を超えた文化遺産の維持活動と言えます。後悔のない選択をするための判断基準を提示します。
【購入・維持に向いている人の条件】
- 屋根付き・空調管理が可能な保管ガレージを確保できる環境にある
- 信頼できる旧車専門店とのコネクションを持ち、突発的な修理費用(年間50万〜100万円程度)を許容できる
- フルオリジナルへの執着だけでなく、現代の交通環境に合わせた適度なモディファイを楽しめる柔軟性がある
【慎重になるべき・おすすめできない人の条件】
- 青空駐車での保管を予定している(急速な腐食進行のリスクが極めて高い)
- 資産価値の値上がり益だけを目的とした短期転売を狙っている
- 現代の一般的な国産中古車と同じ感覚で「ノーメンテナンスで走る」ことを求めている