なぜこの熱気が神田神保町という街で生まれているのか。古本屋や専門書が立ち並ぶ知的で落ち着いたカルチャーと、周辺に点在する大学キャンパスの若者文化が交差するこの立地は、学習意欲の高い人々を引き寄せる絶好の地盤となっている。近隣に住む外国人留学生と仕事帰りの社会人が自然に同じテーブルを囲む光景は、もはやこの街の日常だ。
従来のカフェ・外食産業では「滞在時間を短くして回転率を上げる」ことが重視されがちだった。しかしここでは、「質の高い対話時間をいかに過ごすか」に価値が置かれている。店内の本棚に並べられた洋書や海外の雑誌は、会話が途切れた際の自然なきっかけ作りとして機能している。