プロレスファンや格闘技ファンの間で、リベラは単なる飲食店ではなく「巡礼すべき聖地」と称されます。その歴史の原点は1970年代後半から1980年代初頭、スタン・ハンセンやブルーザー・ブロディといった外国人巨漢レスラーたちが、体調管理とエネルギー補給のために足繁く通い始めたことに端を発します。
当時、日本に遠征してきた外国人レスラーにとって、母国のアメリカサイズで赤身の牛肉を心ゆくまで喰らえる店は極めて貴重でした。初代オーナー・山口氏の温かい人柄と、どれだけ食べても胃もたれしない良質な赤身肉、そしてパンチの効いた自家製ソースが彼らの胃袋と心を完全に掴んだのです。ブロディが仲間のレスラーを連れて来店し、その輪が新日本プロレスや全日本プロレス、さらにはアメリカのWWE(旧WWF)へと口づてに広がっていきました。
リベラを語る上で欠かせない象徴が、選ばれし者のみに贈られるサテン生地の「リベラジャンパー」です。歴代レスラーたちは、このジャケットを受け取ることが「日本ツアーで一流として認められた証」であり、トップレスラーのステータスシンボルでした。かつてアメリカのマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)の控室で、トップスターたちが誇らしげにリベラジャンパーを羽織っていたという逸話は、米国のプロレスファンの間でも伝説として語り継がれています。この戦士たちへの敬意と温かなもてなしの記憶が、何世代にもわたって継承されていることこそが、リベラがプロレスの聖地たる最大の理由です。