大河ドラマ『炎立つ』が今なお絶賛される理由と圧巻の全貌

大河ドラマ『炎立つ』が今なお絶賛される理由と圧巻の全貌

大河ドラマ『炎立つ』が今なお絶賛される理由と圧巻の全貌にまつわる最新トピックを詳しく紐解きます。

大河ドラマ『炎立つ』が歴史ドラマファンの心を掴んで離さない最大の要因は、従来の「勝者の歴史」を根本から覆し、「敗者・周縁の側にあった正義と誇り」を正面から描き切った点にあります。京都の朝廷や鎌倉の武家政権から「夷狄(いてき・野蛮人)」と蔑まれた東北の人々が、豊かな黄金と独自の美意識を武器に築き上げた平泉の平和国家構想。その尊厳のドラマが、視聴者の胸を激しく揺さぶりました。

特筆すべきは、全35回を大胆に分けた「三部構成」の重層的なドラマツルギーです。

  • 第1部(前九年の役):朝廷の圧政に抗い、誇り高き蝦夷の血に殉じた藤原経清の壮絶な生き様を描く。
  • 第2部(後三年の役):骨肉相食む清原一族の凄惨な内紛を生き抜き、奥州藤原氏の初代として平泉を開く清衡の苦悩と決断。
  • 第3部(奥州合戦):源頼朝の冷徹な天下統一の野心と、源義経を匿ったことで滅亡へと追い詰められていく四代・泰衡の悲劇。

中央政権の権謀術数に翻弄されながらも、平和の理想郷「平泉」を築き、散っていった一族の100余年にわたる大河ロマンが、妥協のない演出と美術によって映像化されています。岩手県江刺市(現・奥州市)に広大なオープンセット「えさし藤原の郷」を建設して撮影された合戦シーンや生活様式のリアリティは、現代のCG主体の映像演出では再現不可能な泥臭さと荘厳さを放っています。

山崎 陸
著者

山崎 陸

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