偽情報・誤情報の蔓延に対し、行政側も手をこまねいてきたわけではない。総務省はプラットフォーム事業者に対する透明性確保の要請や、違法・有害情報への対応指針の策定を急ピッチで進めている。また、デジタル庁もデジタル社会におけるトラスト(信頼)基盤の構築や、公的データの真正性を証明する技術の実装を模索している。
だが、法規制や技術的対策には常に「表現の自由」や「通信の秘密」との衝突という高いハードルが立ちふさがる。何が「真実」で何が「偽情報」かを国家が判定することは、それ自体が言論統制の危険を孕むからだ。法規制が追いつかないスピードで進化する生成AIとアルゴリズムの前に、制度的アプローチは構造的な遅れを取り続けている。