『フィガロの結婚』の魅力は、個性豊かで欲望に忠実なキャラクターたちが織り成す群像劇にあります。主要な登場人物の関係性を把握しておくと、舞台の展開が驚くほどスムーズに頭に入ってきます。
◆ 主要キャラクターの相関関係
- フィガロ:アルマヴィーヴァ伯爵の従者。機転が利き口達者な元理髪師。スザンナとの結婚を控えている。
- スザンナ:伯爵夫人の忠実な侍女でフィガロの婚約者。機知に富み、伯爵の誘惑を巧みにかわす物語の真の主役。
- アルマヴィーヴァ伯爵:傲慢で好色な領主。妻への愛が冷め、スザンナを我が物にしようと「初夜権」の復活を目論む。
- 伯爵夫人(ロジーナ):伯爵の正妻。夫の浮気心に深く悩みつつも、かつての純粋な愛を取り戻したいと願っている。
- ケルビーノ:伯爵に仕える思春期の美少年(小姓)。屋敷中の女性に恋い焦がれ、トラブルを巻き起こすトラブルメーカー。
- マルチェリーナ:屋敷の女中頭。フィガロを訴えていたが、後に生き別れた実の母と判明する。
- バルトロ:セビリアの医師。かつてフィガロに邪魔された過去の恨みを持つが、実はフィガロの実父。
- ドン・バジリオ:おしゃべりで噂好きな音楽教師。伯爵の腰巾着として暗躍する。
対立構造としては「フィガロ&スザンナ&伯爵夫人」の知性派チーム対「アルマヴィーヴァ伯爵」の構図であり、そこに予測不能な行動をとるケルビーノや、思わぬ血縁関係が絡み合うことで、喜劇としての面白さが何倍にも膨らんでいきます。