書道や習字における筆の持ち方には、古くから伝わる代表的な二大技法が存在します。それが「単鉤法(たんこうほう)」と「双鉤法(そうこうほう)」です。どちらが優れているというわけではなく、それぞれに得意な用途と明確な役割があります。
単鉤法(人差し指をかける持ち方)は、親指と人差し指の2本で筆の軸を挟み、中指を軸の背面に添えて支えるスタイルです。一般的なペンの持ち方に近く、指先の細かいコントロールが利きやすいため、小筆での名前書きや手紙、筆ペンでの実用書道に最適な持ち方とされています。
一方の双鉤法(人差し指と中指をかける持ち方)は、親指に対して人差し指と中指の2本を正面からかけ、薬指の爪の生え際あたりで裏から軸を支えるスタイルです。軸をしっかりとホールドできるため、太い筆の重さや墨の抵抗に負けず、大筆で力強い半紙・条幅作品を書く際に圧倒的な安定感を発揮します。
初心者が迷った場合は、「太い筆なら双鉤法、細い筆や筆ペンなら単鉤法」という基準で選ぶと失敗しません。